東善寺・鉾の旅 ●● 鹿児島県 長島の山まつりはシヴァ神の祭り |
鹿児島県長島の唐隈地区・小浜(おはま)地区の山まつり 長島の山まつりはシヴァ神の祭り 鉾のお宮の作り直し(唐隈地区) 神様が真っ黒に塗られる(小浜地区) 2015平成27年12月15日 長島では12月(旧暦十一月の丑か申の早くきた方の日)に「山まつり」を各地区ごとにいっせいに行う。 |
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唐隈の山まつり 2015平成27年は12月15日 |
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唐隈地区ではご神体の鉾を祀る小屋を新しく作り直すことを主体としたまつり、と聞いて見学にでかけた。 鉾が古くなったので近年新しくなって、鉾というより「漁で使うモリ」になっている。長島歴史資料館のパネル写真の鉾と明らかに異なるのは、残念だ。せめて左右2本を短くしておかないと、後世「海まつり」と誤解されかねない。 | ||
ワラと細い木を伐って小屋組みをし、屋根をふいてお宮を仕上げてゆく。女性は参加できないお祭りで、男だけで行う。 | ||
▲この木を以前は御神木としてきたが、三又が1本欠けたためか近年は別の木に変えていたという。三又の木はシヴァ神の鉾とつながるからと語ると、それでは元の木に戻そうと、シメナワをこちらに7回半巻いて出来上がり。(よそ者がいきなりやって来ていう言葉を、そのまま受け入れるおおらかさに感心しました) | ||
▲宮の周囲にもシメナワを巡らし、神域を示す。 | ▲ご神体の鉾 | ▲去年までの御神木にもシメナワを巻いた。 |
▲出来上がると、頭がお酒をそなえて祝詞を読み上げ、チョビッと乾杯して終了。そばの石にもおにぎりとナンコが供えられた。 このあと近くの山に登って、岩にシメナワを巻き直し、神様とナンコをして遊ぶ奉納があった。 |
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小浜(おはま)の山まつり 2015平成27年は12月15日 |
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穴の開いた石を女性器に見立て、しかも「ほこどん」と呼ぶとのことで見学させてもらったら、なんと、顔を真っ黒く塗った若者を神様に見たてるまつりであった。 まつり宿の家で神主によるご祈祷のあと、直会があり、午後になって若者が呼ばれて顔にかまどのススを塗られ、頭や身体にシメナワを巻いて「神様」となる。これはまさしく「シヴァ神」の姿であろう。 日本やアジア各地にある「墨付けまつり」「ドロつけ祭り」も同じに見られないか。 ◆シヴ神は「マハカーラ」と呼ばれる。「マハ=大きい・偉大な、カーラ=黒」で真っ黒い姿とされている。日本では「大黒天」や「不動明王」としておなじみ。このまつりの神様はシヴァ神と見ていいだろう。 ◆関連情報 「御鉾様」…長野県塩尻市の小野神社境内にある御鉾様はやはり穴の開いた石(リンク) リンガ…福岡県福津市の宮地嶽神社境内にあるリンガそのものの石 |
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▲若者が呼ばれ、頭にシメナワを被せられて神様づくりの始まり | ▲かまどから手にススをたっぷりとって | ▲ていねいにススが塗られ |
▲シメナワを頭や身体に巻かれ、次第に神様になってゆく | ▲ハイ、神様の出来上がり。これから山へ登リます | |
◇きょうは長島の各地区ごとに山まつりを行っているという。唐隈―小浜とつい隣の地区ですらこれほど異なるのだから、島のほかの地区ではどのような形の山まつりをしていることか、興味をそそられる。 ◇都城市へ移動する時間がきたので、山でのまつりは割愛して長島を去る。 ・歴史民俗資料館の山崎友喜さんには大変お世話になりありがとうございました。 |
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▲急な斜面の岩に置かれた「ほこどん」と呼ばれる石 | ▲「ほこどん」というが女性器に見立てた石だけで、鉾は見当たらない 。 | |
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