HP東善寺>コラム      ●      他者ひとのために戦って優勝   大坂なおみ選手となでしこジャパン 



 
       他者ひとのために戦って優勝した
  大坂なおみ選手となでしこジャパン
      おめでとう!!
 

 
 
2020令和2年9月13日、全米オープンテニスの女子シングルスで大坂なおみ選手は、二度目の優勝を果たしました。この大会でなおみ選手は「(父がハイチ人、母が日本人だから)私も黒人女性の一人」と言って、人種差別が続くアメリカでこれまでに正当な理由なく殺された多くの黒人の中から7人の名前をマスク7枚にプリントして試合会場に入り、人種差別に抗議する姿勢を示して注目を集めた。
 「いくつもある事件として忘れられている人にもみなそれぞれ貴重な人生があったことを知ってほしい」
というなおみ選手の言葉がテレビで紹介されました。

決勝までの試合数が7回だから用意したマスクも7枚、もし途中で敗ければ何枚かは見てもらえなくなる。
「何としても最後の一枚まで見てもらう、という気持ちが自分のモチベーション(目的を達成する意識)になって苦しい試合を支えていた」
となおみ選手は語っていた。
 自分のことだけで戦っていたのではないなおみ選手が、ついに優勝を勝ち取ったことになります。



▲大坂なおみ選手 (公式サイトから)

ここで、9年前の2011年7月にドイツで行われた女子サッカーワールドカップで日本のなでしこジャパンが決勝戦で強豪アメリカに勝って優勝したことを思い出す。
 日本はこの年3月11日に起きた東日本大震災で太平洋沿岸地域は大津波による災害を蒙り、さらに福島原発事故が誘発され大きな混乱の中ににあった。選手たちは「まだ半年もたたないこんな時にサッカーをしていいのか」と悩み、サッカーを続けられる幸せと感謝を皆さんへの恩返しで表したいと思うようになっていた。
 佐々木規夫監督は準決勝の前夜、『われわれは日本を代表している』と編集して持参したビデオを見せ、大震災で打ちひしがれた人たちに、一生懸命ひたむきにプレーする姿を見ていただいて、何とか元気になってもらうために戦っていることを再確認。そしてアメリカとの決勝の前夜は、次は復興に向けて頑張ろうという気持ちで戦うことを確認したといいます。
 決勝戦は、失点しては取り返す緊迫した展開で進み、延長戦でも同様の展開で勝負がつかず最後のPK戦でやっと優勝をもぎ取ることができた。表彰式の後、日本から運んだおおきな白い布を選手全員が掲げてグラウンドを一周。布には英語で
「To Our Friend Around the World,Thank you for Your Support
(世界の友人たちへ、応援(ご支援)をありがとう)」

と大きく書かれていた。試合の応援だけでなく大震災の災害に寄せられた世界各国からの支援に感謝するメッセージで、観客席からはそれに応える盛大な拍手が送られ、よくやってくれたと涙がこみ上げるシーンでした。

他者ひとのために自分の力を尽くすことを仏教では「利他の行い」や「布施」といい、そのとき人は強くなれる。大坂なおみ選手、なでしこジャパンの選手たち、自分のことだけでなく戦った結果のさわやかな優勝おめでとう!!
                    2020令和2年9月
 
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