雨さん  追悼展


さすらいの画家
  雨さん・横手由男画伯
 追悼展
 2002(平成14)年
 3月
17日〜31日
      東善寺 本堂・庫裡
雨さん、と呼ばれて親しまれたさすらいの画家横手由男さんは、2001(平成13)年9月15日夜、85歳で亡くなられました。つつしんでお悔やみ申し上げます。
事情で告別式が行なわれず、多くの方がご存じなかったり、お悔やみの気持ちを表せないでいましたので、追悼展をおこなって雨さんをしのびました。
   旅          伊藤信吉

風が草にそよいで消える
波が渚
(なぎさ)にさわいで崩れる

私は手を振る

いたるところの旅で 別れの手を振る

・・・・・・ふたたびここの土地と海を
        たずねることがあるか
・・・・・・ふたたびここの言葉と歌を
        聴くことがあるか

前後に揺れる時間の起き伏し
行く手にくねり 後ろにゆがむ
              おぼろな道

見えぬ何ものかが 別れを言う
見えぬ何ものかが 別れを告げる

訣別
(けつべつ)の思いで綴(つづ)
私の旅、私の歌、私の旅の日の暮れ・・・・・・



さすらいの画家・雨さんには、前橋出身の詩人伊藤
信吉の「旅」が似合う。その伊藤信吉さんもこの年に亡く
なられました。
会期中の出展作品
■雨さんの絵を貸してください、と呼びかけたところ、油絵、墨絵、板絵、筆書きのもの、額入り、軸物など、およそ150点。その他にメモや本、資料などがたくさん寄せられました。

■これは私のところにおくよりもお寺に寄付します、という作品寄付のお申し出もありました。

■雨さんの絵がふつうと違うのは、持っている人みんなが何かしらの思い出と一緒に持っていて、自分ひとりで見るのは申し訳ない、みんなに見てもらいたい、雨さんの絵に触れてもらいたい、という気持ちでいることです。
てくださったのだと思う。
■追悼法要と追悼講演・追悼会
3月24日(日)午後2時〜 


追悼法要   雨さんの追悼法要をおこない、参会者みんなで般若心経を読んで、お焼香していただきました。

追悼講演 「雨さんの画業とその足跡」 作家 村上 護 先生
  追悼法要のあと『みちのく観音風韻抄』(新書館)の著者村上護氏に講演をしていただきました。
 雨さんとともに歩いた思い出を語り、このような画家がいたことが不思議、と語りました。 

追悼演奏と朗読
 伊藤信吉の詩「旅」を、住職村上泰賢が群馬マンドリン楽団の澤田稔・壁田見伊子さんのギター演奏に合わせて朗読。アンコール曲「遠くへ行きたい」で、涙ぐむ方もいました。

追悼会
 
雨さんをしのんで語り合う会 法要のあと、ささやかな追悼会を行ないました

雨さんを知っている方、知らない方、みんなで
それぞれの思いでの雨さんを語り合いました。雨さんを知らない人も、初めて聞いた話に興味を深めていました。

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こちらの画像も追悼展(リンク:門前の小僧・豊原さんのページ)