夏の東善寺●●ラジオ体操と読経の子供たち |
◇夏の朝の東善寺◇
ラジオ体操と般若心経の子供たち
夏休みに入ると寺の近所の子供会では、朝のラジオ体操をしたあと、本堂へあがって般若心経を読む。眠そうな顔で集まってきた子供たちも、体操をしているうちにしだいにはっきりして、声をあげてお経を読んだあとすがすがしい顔になって帰ってゆく。
ハイ、身体を回して・・・ | みんなはアタシとちがう | ねエ、今日どこ行く? | カメラ、気になるナー |
ハイ、息を吸ってー | お釈迦様にごあいさつ | 木魚に合わせて | 般若心経のかわいい声が響きます |
<詩> 東善寺の朝 雨・横手 由男 夜露を含んだ境内がすがしい朝 村の童女、童男が集(つど)いくる倉渕村東善寺 読経、木魚、磬子(けいす)の韻(ひびき)が児童達の体操を包む 観音さん、地蔵さん 風呂敷を背負ったオモシロイ石仏さん 大黒さんにエンマサン、恐い顔の奪衣婆(だつえば) 人間くさい六地蔵さん それらをみんな包み込む緑の山寺 体操が終わると去って行く子等 本堂で心経を唱和する児等 境内に頬づえの如意輪さんは お釈迦サマの若かりしころの瞑想という 夜来の雨あがり、 緑の中に赤チャン抱いた観音サンのうしろから ムラサキシキブの淡い花(み)がもたれかかる 慈母観世音の豊かな乳房が 生ある総てを 慈眼視衆生の情を湛える東善寺の朝 (1991年8月 東善寺に泊まった翌朝の作です) ◇横手由男画伯についてはこちらから |