雨さん     画展


画 業    画    展 
      
全国各地、半日展もあった展覧会  
                                   
慈母観音  平成6年9月の「第2回東善寺妙音展」のパンフレットに、とお願いしたところ8月末の暑い日にふらりとやってきて、本堂前の慈母観音をモチーフにして描いてくれた。「ここがいい」と言って選んだ場所は境内の小栗上野介主従の墓の上り口のコンクリートの上。筆を選ばず、場所を選ばず、という雨さんの面目があふれている。
 描き初めを見ていた私は、ハッと気がついてあわてて家からカメラを取って戻ったら、ちょうど描き上げた絵を確認するように眺めているところだった。
 
 雨さんはたくさんの観音像を描いているが、これは傑作の一枚といえよう。
                           (平成9年8月) 

■群馬県内各地をはじめ、東京銀座松屋、金沢、静岡、大坂、京都、姫路、加古川、松本、水戸、沖縄、松山、山形などで開催。吾妻町大戸の公会堂では半日展も行なった。

東善寺では「東善寺妙音展」として3回開催。
1991(平成3)年秋、初めてのとき「村の公民館でも借りて・・・」という私(住職)の言葉に

「僕はそういうところは嫌いです。お寺の柱や部屋の隅に立てかけるくらいがいい。僕の絵はそういうのが似合う絵ですから
といわれて、本堂で開いた画展だった。

絵をプレゼントされる展覧会
「ハイ、よく来てくださいましたね。」
展覧会に行って、きれいに描かれた色紙をいきなり手渡されれば、誰でもびっくりする。これが、人が見に来てくれるだけでうれしい、という気持ちにあふれた雨さんの心遣いだ。だから雨さんの画展は、一度来た人がまた友達を連れて二度三度とやってくる。初日からしだいに人がふえてゆく。それを知っている常連のファンは、お祝いに「先生これを使ってください・・・」とたくさんの新しい色紙を届けてくれる。
■知り合ってしばらくして、毎年2月に銀座松屋デパートで画展を開いていることを知った。「東京では、おおぜい見に来てくれるでしょうね」と聞くと
「東京はたしかに人はおおぜい来てくれますが、でもうるさくて・・・。展覧会はこういうところがいい。来た人と話をしたり、昼寝をしたり、絵を描いたりできていい」
と笑っていました。
ファンの中には「雨さん、雨さん」「先生、先生」としつこい人もいるようで、そういうことをことに嫌った人でした。    (村上泰賢)