東善寺・山だより●  浅間隠山(矢筈山・川浦富士)の保護


■浅間隠(あさまかくし)山は倉渕村・吾妻町・長野原町にまたがる名山。浅間高原を見下ろす独立峰で、頂上は森林限界を抜けた草地のため展望がよく、関東平野からよく見える秀麗な山として知られてきました。

■近ごろ浅間隠山に登る人が急激に増え、以前は日曜日に登山者4,5人という山が、いまはツアー会社がバスで団体を連れてくる山に変貌し、道路わきの駐車スペースがあふれるほどとなりました。
浅間隠山
裾を引いた姿が美しい。別名「矢筈山(やはずやま)」「川浦富士」
左の噴煙が浅間山
・倉渕村権田字亀沢から撮影

登る人が増えるにつれて山頂に問題が生じてきた。
 
 昔は草地に細い踏み跡が一本あるだけの山頂だったが、休憩で草地に踏みこむ人で草が生えなくなって裸地化し、しだいに草地を求めて傾斜した浅間高原側まで入り込んで休む人がふえ
  ・裸地が南斜面に広がり始めた
  ・頂上の三角点標石が30センチ以上も根元が浮いて、今にも倒れそう
このまま推移すると雨による侵食が土砂を流し、木の根元をえぐられて倒れ、荒れ果てた山頂になることは間違いない。

たとえば、……
  ・近くの鼻曲(はなまがり)山山頂の裸地化が進んで、一部(霧積温泉への下り道)に崩壊がみられるのも、
  ・赤城山の地蔵岳山頂のガラガラ面も、
  ・長七郎岳山頂の小沼側斜面がえぐられてひどいガラガラの斜面に変わっているのも、
やはり草の踏みつけ→裸地化→侵食、によるもの。元はきれいなお花畑畑だったのです。

■山頂を行政区域とする吾妻町に働きかけ、平成14年10月10日吾妻山岳会のメンバーと共に、とりあえず山頂にクイを打ってロープを張り、踏みつけられる範囲を狭めました。


◆どこの山に登ってもご注意を
登られる方は趣旨をご理解の上、ロープの外にはみ出ないよう(休む時は裸地で休む=草地に腰を下ろさない)ご協力ください。
山頂手前で休む場合も、草地に入らないようにお願いします。
 裸地で休むためのクッション・シート(A4サイズ程度)を用意するといいです。
 

*木の幹にペンキで「強者―近道」などと書く変なボランティアがいて、困っています。直登の近道は避けてください。
*ジグザグ道をカットする近道(垂直の道)は、踏みつけー裸地化ー雨による侵食(雨裂)、が早くなり山肌が痛みます。なるべく山肌に優しい迂回するジグザグ道を歩いてください。

ロープ張り作業
これから趣旨の看板を作って建てます

埋めてあったゴミ
山頂に埋めてあった空き缶を見つけ、掘り出して下げました。
2年後の山頂は・・・  2004平成16年10月1日です

ロープの外側は草が生え始まっていて、効果がありました 9月1日以来の噴火は…
今日は少し煙が高いくらい
八ヶ岳もはっきり見えてすばらしい無風快晴
 
 
 
 草津白根山が異様に白く見え、上空に浅間山からの噴煙がたなびく   背後は横手山  鼻曲山を中心とした烏川源流一帯の緑もきれい  以前、皇太子結婚の日(休日になった)につけた看板も効果があった(近道が笹原に復原した)ので、別の場所に移動して付け直す



湯ノ丸山の右手に北アルプス鹿島槍一帯の稜線が連なる リンドウ
山頂の草むらに一本咲いていた
おかしな標識 「第3地点」
新たに登山道数ケ所に書かれていた。勝手な地名をつけるのはいかがなものか。


おかしな標識 「出口」
迷路ではあるまいし、〈出口〉とは・・・。登山道にやたらに書いてあって目ざわり
おかしな標識 「センターライン」
極めつけはこれ。登山道に〈センターライン〉はおかしい。
下ってくる友人とばったり
「ヤア、清水君!」
「ヤア、あんまりきれいに晴れたので、畑の草刈りをやめて、いま登ってきた…」とか。
      浅間隠山 初夏の花々                2005平成17年6月17日です

浅間隠山の6月は花盛り たくさんのヤマツツジが咲きます ハルゼミの抜け殻
山一面、ハルゼミの声
     
 グミの木が多く、夏の終わりには食べられます  サラサドウダンのドエライ大木は頂上を北側に下ったところ  サラサドウダンの巨木群  日当りのいい草原にマイヅルソウも咲いている
近年登る人が増えて、道もだいぶ整備された でも、団体の目印につけたテープは用が済んだら外したほうがいい。山の中でゴミとは人工物のことだから。 頂上はヤマツツジ
トウゴクミツバツツジ レンゲツツジの競演です レンゲツツジのつぼみの色合いはスゴイと思う
      浅間隠山 初夏の花々−2       2005平成17年7月13日です
7月はアヤメが山頂に咲く 近道をしないで下さい。直登降の道は雨水がえぐってミゾになり、山肌が荒れます。・・・・・・」
お願いのプレートを取り付けました
オダマキ
草の中にはクリーム色のオダマキがたくさん見られる。
     
 シモツケ
途中の道路わきにも咲いていた。山頂までたくさん見られる。
 ヒヨドリソウ
アサギマダラ(蝶)がこの花やフジバカマによくついて、蜜を吸います。
 「草地に入らないで下さい。草地の踏みつけ→裸地化→土砂の流出→山頂の崩壊が始まっています。・・・・・・」
「裸地化」の関連ページ
裸地化:「森林と公益機能」(リンク)/「栗駒山の裸地化」(リンク)/「若草山の裸地化」(リンク)/「スキー場の裸地化」(リンク)/「オオバコは裸地化を防ぐ代償植生」(リンク)/「登山道荒廃の研究」(リンク)/「尾瀬のオーバーユース」(リンク)/「雨の日のクリーン登山は裸地化の元」(リンク)