小栗まつり小栗まつり2004・137回忌・136年祭

小栗まつり
2004年


◇2004(平成16)年5月23日/倉渕村村民体育館&東善寺
◇午前 (村民体育館で)
式典 挨拶 市川平治小栗上野介顕彰会長
    祝辞 群馬県知事(代理)
        横須賀市長(代理)
演奏 海上自衛隊横須賀音楽隊
    「トミーポルカ」「横須賀海軍工廠歌」「錨を上げて」ほか
講演 佐藤雅美氏 『小栗上野介がアメリカでしたこと』
◇午後 (東善寺で)
墓参・献香 献花(群馬県知事・横須賀市長・小栗家縁者・三野村清雄氏・大坪治子氏・会長)
演奏 群馬マンドリン楽団 「維新無情」「トミーポルカ」ほかポピュラー曲をたくさん演奏
昼市 境内にはたくさんの出店が並んで、おおぜいの参加者が食べたり買ったりをたのしみました。

◇設営と前夜祭 前日22日(土)
午後1時30分から 各地からボランティアがかけつけ、境内にたくさんのテント、出店用テーブル・イス、駐車場の看板をセッティング。
夜は、倉渕温泉で入浴のあと「幕末の歴史を語る懇親会」と称するたのしい前夜祭。
■毎年ボランティアを募集しています。遠方の方は宿泊できます。1泊三食温泉つき・雨天決行。

式 典ー村民体育館で   挨拶・祝辞・演奏・講演 
顕彰会長の挨拶で始まった 海上自衛隊の迫力ある演奏で華やかな小栗まつりになった いつも寺の庭で遊ぶ子供たちも今日は神妙
講演する作家佐藤雅美氏 会場はいっぱい
   
講演の主旨
  『小栗上野介がアメリカでしたこと』


 小栗忠順はフィラデルフィアの造幣局で通貨の分析実験を強硬に主張して、双方立会いのもとでこれを行なった。その背景にハリスが押しきって決めた日米修好通商条約の通貨の交換比率に1:3に近い不公平があったことを解説。
 じつはそれまでの日本は一分銀を名目通貨(紙切れに1万円と印刷しているのと同じ)として実質は三分(3倍)の価値を持たせ通用させていた。国内だけならそれでいいが、外国通貨との交換が入ると、そのままでは混乱が起きる。
すなわちアメリカ側はこれまでの諸国との例にならって、「通貨は同種の通貨を同量で交換すべき」と主張して引かない。不幸なことに交渉に当った日本側の役人は、日本の通貨が名目通貨であることの意味をよく理解していなかった。そして結局持ち込まれたメキシコドル1ドル銀貨を日本の一分銀貨三つ(三分)と換えることを約束させられてしまった。実質で3倍の価値で国内で通用するから、外国人は「1ドルで3倍のお金を手に入れ=日本の商品を3分の一の値段で買える」「日本人は外国商品を3倍の値段で買う」ことになってしまった。
 しかも日本国内では一分銀4つ(四分)で一両小判(金貨)と交換できた(=実質は十二分銀の価値とみていた)から、外国人は「1ドル銀貨→三分銀貨→四分の銀貨→1両小判金貨」と交換をして国外に持ち出すと、国外では「1両小判を4ドルで換える」ことができた。労せずしてお金を交換するだけで、財産が3倍に増えてゆく。
このため当時の日本は小判がどんどん外国に流出する事態が起きていた。

********感想****
 従来、フィラデルフィアの分析実験は、日本の金貨(小判)のほうが銀の含有量で、アメリカの同種の金貨(ドル)より品位が優れていることをアメリカ側に認めさせた、と解釈されていた。しかしその差額は驚くほどのものでもないので、どうしてそれが大事なことになるのか釈然としなかった。今回の講演で、分析実験の目的はもう一度ドル銀貨と一分銀貨の交換比率の不公平を是正交渉する基礎として、「金貨(小判)が同種のドル金貨とほとんど同量同品位であることを認めさせることによって、その金貨(小判)を不当に安く換えることができる銀貨どうしの不公平な日米交換比率を是正させる」ことを目的としていたことがわかった。
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 結局アメリカ側に金貨(小判)の価値は認めさせることができたが、是正交渉までの権限は遣米使節に与えられておらず、アメリカ側もそのような交渉はなるべく避けたい意向が働いて、本格的な是正交渉にまでは至らなかった。
     
 さらに講演で佐藤氏は、従来幕末の日本がうなぎ上りに物価高騰になって庶民の生活を圧迫したのは、外国人が買占めをしたからという解釈だったがそれは間違いで、これも同じく通貨の問題が背景にあって起きていたこと、と語った。

墓前祭―東善寺で   献花墓参と演奏と昼市
午後1時から墓参して献香。墓前にお線香の煙がたなびき、おおぜいの人がお参りしました。 献花 三野村清雄さん
小栗圭四郎さん 市川平治顕彰会長 群馬マンドリン楽団の司会はいつも降旗さん 空飛ぶ八百屋の安値がいつも人気
私が作ったキノコよ〜 竹酒は飲むほどボランティア 手打ちそばは行列ができた 本堂前もごった返し
KFCのマス焼きは親子連れで忙しい おいしいよ〜 ナメコ汁がおいしいよ― 犬はとまどい、恐れ
10割ソバだから、うンめえんだよ― 「愛のおやき」も売れました いろいろあって迷っちゃうわ 横須賀から来ました!
ボランティアのセッティング 前日
新しく作った庫裡のタープ 始めたらにわか雨であわてる 国体山岳競技教化合宿の高校生も手伝ってくれた 全部でテント7張り・タープ4張りを張り上げる
前 夜 祭 「幕末の歴史を語る会」
セッティング終わって、温泉で温まって さあ乾杯だアー 牧野酒造がこれから売り出す酒「てんこう」(こう・はサンズイに黄)。じつにうまい!
ラベルは「天の川」という意味で、岩手県特産の酒米「吟ぎんが」にちなんで住職が命名。この酒米そのものが杜氏の手作りです。
月も出たー!
■写真撮影協力:豊原さと子・杉山彰・向島浩介さんに御礼申し上げます。