HP東善寺 ●● 涅槃会(ねはんえ) 2月15日はお釈迦様の御命日 |
ねはんえ ねはんず 涅槃会・涅槃図 |
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2月15日は、お釈迦さまのご命日です。 仏教寺院では大きな「涅槃図」を本堂に掲(かか)げておダンゴを供(そな)え、皆さんにお参りしていただきます。 ■お釈迦さまは2月15日満月のもとに、インド・クシーナガラの跋提河(ヒラニヤヴァティー河)のほとり、沙羅双樹の林の中で、頭を北向きに西に顔を向けて横たわり、入滅(にゅうめつ・亡くなること)されたといわれています。その様子を描いたものが「涅槃図」で、宗派を問わずどのお寺にも備えられているものです。 |
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お涅槃のお参り お参りしておダンゴをいただいて |
おだんご 食べると一年の無病息災にご利益があります |
間に合わなかったクスリ 摩耶夫人が天上界から贈ったクスリも間に合わず、むなしく沙羅双樹に下がっています |
かけつける摩耶(マヤ)夫人 お釈迦様を産んで7日めに亡くなった摩耶夫人も、天上界から駆けつける |
駆けつけた弟子たち 枕もとでぼう然と見つめています |
嘆く弟子たち おおぜいの弟子が取り囲んで嘆いています |
白く変じた沙羅双樹(サラソウジュ) 沙羅の木はお釈迦様が亡くなると、枝がおおうように上にかぶさり、葉が白く変わって、時ならぬ白い花が咲き、はらはらと散ったといわれています |
嘆く 獅子も虎も、鳥も集まってきて身をよじって嘆いています |
全図 「法橋(ほっきょう)烏川(うせん)」が描いたといわれています |
臥すお釈迦様 北枕、西向きに横たわるお釈迦様を取りかこみ嘆く弟子たち インド人でなく中国風なのは、江戸時代にインド人を見ることはなかったので、想像で描いたから |
たくさんの動物も集まって嘆く ゾウ、獅子、鳥、ヘビ、から蝶、トンボ…あらゆる命あるものはすべて同じ元素から生まれ、元素の組み合わせの違いでいろいろな姿で、この世に等しい一つの命をもって、共に今この世に存在している。その原理をと初めて説いてくれたお釈迦さまの死を悲しんでいます。 |
猫がいた! 呼びかけ役のネズミは自分をいつもいじめる猫には教えなかったので、猫は駆けつけなかった。それで十二支にも入っていない、といわれていますが、わが寺の図では左隅に「遅くなってすみません」と申し訳なさそうにうずくまっています。 ・参考全国で寺の猫がいる涅槃図は
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■涅槃図の動物たちを思わせる・・・ |
◆写真家田中徳太郎氏の死に駆けつけた 野田の白鷺たち |
田中氏は埼玉県で国鉄職員を40歳で退職し、趣味としていた写真を生かして写真材料店を開く。さいたま市緑区上野田の特別天然記念物「野田の鷺山」に群がる白鷺に魅せられ何年も毎日通い詰めて撮るうち、サギたちはすっかり馴れてしまったものか、ヒナをかえすためにうずくまっているすぐそばまで近づいて撮影しても全く警戒する様子を見せないまでになった。 田中氏はサギたちを驚かさないようにいつも同じ服装で通い、サギの一瞬一瞬の動きを撮り続けてたくさんの作品を残した。どの写真を見ても白サギたちへの愛情が強く感じられる。 1989昭和64年11月13日、田中氏は83歳で亡くなります。 臨終間近と思われるとき、田中夫人がふと病室の窓の外に白いものを感じて眼をやると…、 |
『白サギの詩』田中徳太郎 岩波グラフィックス 3 |
シラサギが一羽飛んできて窓の外の木に、病室を見下ろすように止まったのだ。すると次にまた一羽、また一羽と飛んできて病院のどの木にもたくさんの白鷺がじっと止まってそのまま動かない。見る見るうちにどの木も真っ白になった。 どうして田中氏の最期を知ったのだろう、どうしてこの病院がわかったのだろう。 涅槃図に見る動物たちを思わせるようにしばらくじっとしていたが、そのうち田中氏の臨終とともに一羽、二羽と静かに飛び去っていったという。 ■宗教であまり不思議を語ることは避けなければならないから私はめったにこの話をしないが、目に見えない世界で動いているものが実際にあると知ることも、時には大事だと思いここに記録しておく。 ■ニューヨークメトロポリタン美術館などの永久保存作品にもなっているという田中徳太郎氏のシラサギ写真の業績はHP「とほ・ほ・ほと」に詳しいのでご参照ください。 ■この話は以前にTV「知ってるつもり」で紹介されて感激したが、時間が経過したので詳しいことを上記のブログ「とほほと」で確認して掲載させていただきました。 ■特別天然記念物「野田の鷺山」は、周囲の都市化、農薬などによる環境汚染で餌の減少が続き、サギの飛来がなくなって天然記念物の指定は抹消されました。写真集『白サギの詩』『フォトサロン 白鷺 天空のファンタジア』などに、サギがいる田にヘリでものすごい量の農薬を散布しているシーンが1枚ある。人間の罪業ざいごうは深い。 2021令和3年2月 |
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