法話・東善寺HP              開眼・魂を入れるイチロー


 開眼かいげん
魂を入れるイチロー

◆お墓を作ったり改修(かいしゅう)した時や過去碑(かこひ)戒名(かいみょう)()り込んだ時は、開眼のおつとめをして魂を()れます。ほかにお仏壇(ぶつだん)本尊様(ほんぞんさま)を用意したり、お位牌(いはい)を作った時も開眼をして(はじ)めて手を合わせる対象(たいしょう)となります。高崎の大きな観音様、鎌倉(かまくら)や奈良の大仏さまも開眼がすんでいて、皆さんに拝んでもらっています。

◆反対に、趣味(しゅみ)で彫った仏像や(えが)いた仏画(ぶつが)を開眼しないでそのまま(かざ)っておくことを「(ほとけ)作って魂入れず」と言い、形だけで中身がない、という意味になります。

◆アメリカの大リーグ・シアトルマリナーズで活躍(かつやく)するイチロー選手が、ファンサービスで仲間の選手と共に小学校を(たず)ねた場面(ばめん)がテレビでありました。大喜びの子供たちの前でイチローは子供たちに語りかけました。「君たちは野球が好きでしょう。上手(じょうず)になりたいと思ったら、まずお父さんお母さんに買ってもらったバットやグローブなど、道具(どうぐ)を大事にすることです」



イチロー選手

◆別の日のテレビで見たのは、試合が終わったあと選手たちはロッカー室の決まった(はこ)にグローブを入れて着替(きが)えて帰って行きます。あとで(かかり)がそのグローブを()き、油をつけてそれぞれのロッカーにしまってくれるのです。

◆でもイチロー選手は自分でグローブの(よご)れをふき、ロッカーからオイルを出して()って(にぎ)具合(ぐあい)(たし)かめてから、大事(だいじ)そうにロッカーにしまい着替えて帰って行きました。グローブの手入れをしながらさっきまでの試合を()り返って、こんどはこうしようなどと反省(はんせい)をして、それが自分を高めているのでしょう。ふだんこうして道具に魂を入れているから、子供たちに「自分の道具を大事にしなさい」と言えるのです。

◆学校や家庭(かてい)でも同じこと、家や、道具や物に魂が入るように大事に使う生活をしましょう。    


BACK