イチロー・犀の角(東善寺HP)      イチロー・犀の角のように



イチロー選手 
大リーグ300本安打 おめでとう!
(サイ)の角(つの)のように独り歩め


 アメリカ大リーグで野球を続けるイチロー選手(マーリンズ)が2016(平成28年)8月、ついに大リーグ通算3000本安打を達成した。おめでとう!
 42歳になって現役選手を続けるには、体力、技術、気力…どれも欠けないように努力を重ねなければならない。まして先発は若い選手が出るから、代打が多くなる。ベンチに残って味方の守備を応援する立場にくさらずに耐え、しかも出番を指名されればいつでもきちんと応えるヒットを打ち出すには、相当の忍耐力・精神力を要する。

 かつて父とともに永平寺に参拝したイチロー選手は貫首の福山諦法
(ふくやまたいほう)禅師に面謁(めんえつ)しています。お釈迦様は人は目標を持ったらそれに向かって努力し、周囲の雑音に振り回されずただ独りで進むことを勧め、「サイの角のようにただ独り歩め」と説きました。

 サイは群れない。草の上に角だけ見せて独り悠然と進むサイのように信念をもって努力し歩め、と繰り返し説いています。

 【今のひとびとは自分の利益のために交わりを結び、また他人に奉仕する。今日、利益をめざさない友は、得がたい。自分の利益のみを知る人間はきたならしい。サイの角のようにただ独り歩め
(ブッダの言葉『スッタニパータ』)

 
人生のヒントを仏教から得て、自分の限界を探るように努力を続けるイチローの姿は禅の生き方、と見えます。


ハス
花が咲いた時すでに実がついている。
努力するなかに、結果はすでに実っている、と示している・・・・から
ハスは尊ばれる。

 イチローはこう語っていました。
 「僕は子供の時から笑われていた。小学生の頃、毎日練習して『プロ野球の選手にでもなるのか』と近所の人に笑われ、プロになってアメリカに行くとき、首位打者になりたいと言って周囲に笑われた。でも大リーグで2回首位打者になれた」
…どれほど人に笑われても口にしたことを目標に、一人で努力を続けたことが、3000本安打に積み上がったのでしょう。

 ほんとうに、おめでとう!イチロー!!

                                      (2016平成28年12月)


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