住職のコラム(HP東善寺)           動物園 ・どっちのオリに 


  動物園
どっちのオリに

▽ニューヨークの動物園は入口と出口が別で、出口に来ると二つのオリがある。
 その一つに「世界でいちばん恐ろしい動物」と書かれているそうだ。何だろう、とのぞくと大きな鏡があって、自分の顔が映る。誰もが「やられた」という顔をして次のオリに行く。

 こちらも鏡があるから「またか」と誰もがニコッと笑った顔が映ってしまう。こちらのオリには「世界で一番すばらしい動物」と書いてあるという。
▲ 境内のツツジ

▽前橋のある女子高校生が新聞の投書欄に次のようなことを書いていました。

 「お店で買い物して、店を出ようとすると前に電動三輪車に乗ったおじいさんがいた。急いでいたので追い越して先に自動ドアの前に立ったら、「ありがとね」と後ろから声がかかって、おじいさんがうれしそうに笑っている。
 自分は申し訳ない気がした。お礼を言われるまで、このおじいさんが自動ドアを通ることが大変だなんて少しも気がつかなかった。結果として親切な行動となったけれど、それは偶然のことだったから。
 その人の立場にならないとなかなかわからないことがたくさんある。今度は少しでも気がつくようにしたい。」
(概略)

▽ニューヨークの動物園のどちらのオリに入るか……、まず人のことに気づける自分になるようにいつも少しずつ心を磨いて生きることが、「世界で一番すばらしい動物」になる道につながる。この女子高校生は、ドアが開いたあと、おじいさんがドアを出るまでわきに立って見てあげたそうです。
                                   (2002平成14年2月 東善寺だより)